3月分読書まとめ

3月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1346
ナイス数:66

ノンフィクションにだまされるな!  百田尚樹『殉愛』上原善広『路地の子』のウソ (モナド)ノンフィクションにだまされるな! 百田尚樹『殉愛』上原善広『路地の子』のウソ (モナド)感想
うーむ、百田はさておき、上原の著作は非常に面白く読んだのだが。これはすごい、と感想を書いた気がするが、こう言われてみると、確かに終盤やたら駆け足になったのと、正直、あとがきはなんじゃこらと思った。うーむ。新潮45の記事も電子で購入したけど、確かに、で?、という感じではあった。うーむ。著者と西岡研介の対談も収録されているが、もうけちょんけちょん。しかも、2者を批判するにあたって、著者は徹底的に事実を追求しており、これがノンフィクションだぜ、という強烈な皮肉になっている。非常に面白く読んだが、後味は悪かった。
読了日:03月27日 著者:角岡 伸彦
すごいぞ! 関西ローカル鉄道物語すごいぞ! 関西ローカル鉄道物語感想
140Bの「すごいぞ」シリーズ第2段。第1段の私鉄王国の著者は残念ながら、若くして亡くなってしまったが、その遺志を継ぐ良書となっている。関西は大手私鉄の集積もすごいが、実はローカル私鉄も数多く残っており、蒙を啓かれる。乗ったことのある鉄道、乗ったことのない鉄道、国鉄時代に乗ったことのある鉄道などなど、乗り鉄のあたしには楽しくてしようがない本だったが、熱烈鉄道ファンでなくても読んで面白い1冊になっている。旅好きにもおすすめ。
読了日:03月25日 著者:田中 輝美
六〇年安保 センチメンタル・ジャーニー (文春学藝ライブラリー)六〇年安保 センチメンタル・ジャーニー (文春学藝ライブラリー)感想
最初に。本書は30年以上前の著作である、ということをはっきりさせておかないと。で、確かその頃、著者は東大助教授だったはずだけど、あたしが大学の頃に読んだ、西部節はすでに炸裂している。ブントの指導者から反米保守の筆頭格に「転向」した著者の、全学連へのレクイエム。(当時の自身へのレクイエムでもある。)唐牛に対する優しい眼差しは著者がロマンチストであることも示している。あと、やはり森田実って人に俄然興味が出てくる。最低限、学生運動に対する基礎知識がないと訳が分からん書ではあるが、非常に濃密な心を揺さぶる1冊。
読了日:03月12日 著者:西部 邁
水野美紀の子育て奮闘記 余力ゼロで生きてます。水野美紀の子育て奮闘記 余力ゼロで生きてます。感想
水野美紀というと、踊る大捜査線の内気系の美人、というおぢさんにとって、AERAのWEBメディアで連載されている本書の一部を初めて読んだときの第一声は「なんじゃこりゃぁ?!」(←褒め言葉)そういやスカーレットでも結構ぶっ飛んだ役を演じてたし、この人面白い人なのね。(三重県出身なんだ。関西人と呼べるぎりぎりw)育児あるあるが可愛いイラストとともに、爆笑の文章で綴られている。ただ、本書を読んで面白いとだけ思った世の父親諸君は、ツマから本書を隠しておくよろし。あるよねぇ〜!と思った諸氏のみ共読されたい。
読了日:03月04日 著者:水野 美紀
武道的思考 (ちくま文庫)武道的思考 (ちくま文庫)感想
あたしは子どものころ剣道をやってたんだけど、道場が移転したので、小学校卒業までの4年ほど。そこまで深く突き詰めることはなかったなぁ。あたし自身は「痛いのがイヤ」で通うのが辛いとも思ってたんだけど、師と呼べる方に出会えたのは大きかったと思ってる。ど真ん中の武道論の部分は、なので、分かるような分からんような、という感じだが、それ以外の部分はいつもの内田節でタツラーは安心して読める。師弟関係ってのも大きなキーワードかな。そういや百閒は弟子って言葉は嫌いだ、と言ってたような。
読了日:03月03日 著者:内田 樹

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