2017年分読書まとめ

2017年の読書メーター
読んだ本の数:42
読んだページ数:11491
ナイス数:204

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)
読了日:12月21日 著者:リチャード P. ファインマン
ローカリズム宣言―「成長」から「定常」へローカリズム宣言―「成長」から「定常」へ
読了日:12月14日 著者:内田 樹
内田樹による内田樹 (文春文庫)内田樹による内田樹 (文春文庫)
読了日:12月12日 著者:内田 樹
トラオ 徳田虎雄 不随の病院王 (小学館文庫)トラオ 徳田虎雄 不随の病院王 (小学館文庫)感想
いやはや、すごい人だわ。冷静な筆致で特捜検察批判を展開して、最高検察庁幹部を激怒させたという青木が、魅力を感じてしまう。また、城山三郎が確かに好きそうな人物ではある。あたし的には、目的が手段を正当化するタイプのヒトは苦手なので、このヒトの下で働きたいとは絶対思わないけど、はたで見ていたい気はする。非常に濃密で面白い一冊。
読了日:12月08日 著者:青木 理
これからの日本、これからの教育 (ちくま新書)これからの日本、これからの教育 (ちくま新書)感想
いやはや、ご両人とも文部(文科)省ではいずれも有名な方だけど、おふたりともトンガッてること。センパイは部長級まで、後輩は事務トップにまで登りつめたんだから、この官庁の奥深さが垣間見える。あーだこーだと昔話をしているようで、しっかり教育論になっているのが、「議論好きの官僚」たるゆえんか。ただ、こういうヒトたちが排除されつつあるのが霞が関の現状であるなら、この国の将来は…。寺脇氏は井上成美、前川氏は米内光政(年次が逆だけど)って感じも受けた。
読了日:11月30日 著者:前川 喜平,寺脇 研
笑福亭鶴瓶論 (新潮新書)笑福亭鶴瓶論 (新潮新書)
読了日:10月12日 著者:戸部田誠(てれびのスキマ)
帰ってきちゃった発作的座談会 (角川文庫)帰ってきちゃった発作的座談会 (角川文庫)
読了日:10月10日 著者:椎名 誠,沢野 ひとし,木村 晋介,目黒 考二
「天皇機関説」事件 (集英社新書)「天皇機関説」事件 (集英社新書)
読了日:10月05日 著者:山崎 雅弘
発作的座談会〈2〉いろはかるたの真実 (角川文庫)発作的座談会〈2〉いろはかるたの真実 (角川文庫)
読了日:10月04日 著者:椎名 誠,木村 晋介,沢野 ひとし,目黒 考二
知る、見守る、ときどき助ける モンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方知る、見守る、ときどき助ける モンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方
読了日:09月12日 著者:神成 美輝
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
読了日:09月08日 著者:戸部 良一,寺本 義也,鎌田 伸一,杉之尾 孝生,村井 友秀,野中 郁次郎
聖地巡礼 コンティニュード聖地巡礼 コンティニュード
読了日:08月25日 著者:内田樹,釈徹宗
【新版】中東戦争全史 (朝日文庫)【新版】中東戦争全史 (朝日文庫)
読了日:08月22日 著者:山崎雅弘
[新版]独ソ戦史 ヒトラーvs.スターリン、死闘1416日の全貌 (朝日文庫)[新版]独ソ戦史 ヒトラーvs.スターリン、死闘1416日の全貌 (朝日文庫)
読了日:08月18日 著者:山崎雅弘
ファシスタたらんとした者ファシスタたらんとした者
読了日:08月14日 著者:西部 邁
日本の路地を旅する (文春文庫)日本の路地を旅する (文春文庫)感想
あたしは「自分探し」という言葉がキライだ。また、「自分探しをしているヒト」というのもキライだ。しかし、この著者は、自らのルーツを意識し、日本各地に散らばる「路地」を訪ねていく中で、壮絶な「自分探し」をすることになる。「路地」というのが中上健次の言葉と言うのは知らなかったが、帯にあるとおり、ゆるふわ系の旅エッセイなんて思って読むとえらい目に会うけど、ホントに面白く切なく心苦しい名著。
読了日:07月30日 著者:上原 善広
直感はわりと正しい 内田樹の大市民講座 (朝日文庫)直感はわりと正しい 内田樹の大市民講座 (朝日文庫)感想
内田センセのAERA連載エッセイを単行本化→文庫化(書名が変わっているので注意)。センセが書いてるとおり、900字ということで、センセの文章としては珍しい長さ(長いような短いような。)これも何度も書いておられることだが、政治に関しては、あえて予言をなす、と。で、それが外れたらなんでなんかなぁ、とあとから思い返す、とのことで、結構外れてるw。また、割と古い本なんだけど、今読み返しても読ませるのはあたしがセンセの愛読者だからかな?
読了日:07月19日 著者:内田 樹
SOLO TIME (ソロタイム)「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略であるSOLO TIME (ソロタイム)「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である感想
名越先生の講演集。仏教に帰依しておられることもあるが、ところどころ、「アヤシイ」ところもあるんだけれど、先生のヒトを見つめる眼差しはあくまでも優しく、そうだようなぁ、と思わされること多数。競争社会が激化しすぎてヒトがヒトをヒトとして扱えなくなっていることもあるのかなぁ、と考えさせられる。AloneとLonelyは違うという主張には完全同意。
読了日:07月07日 著者:名越康文
路地の子路地の子感想
いやはや、すごい本やわ。路地(大阪では「ろおじ」と読むと思うんやけど、「ムラ」の意味で使うのは知らんかった)の子とは、本書のメインキャラクターである著者の父のことでもあり著者自身のことでもある。同和行政など、金儲けの手段でしかない、という徹底した現実主義は、解同に因縁のある人物がいるというだけで、共産党経由で右翼とつながるという、パッと聞くとムチャクチャな、でも実は現実的な行動を取らせたりする。本書中、一部仮名、とあるけど、羽曳野の食肉最大手以外はそんなこと全く気づかせない、圧倒的にリアルな描写。良書。
読了日:06月29日 著者:上原 善広
知性の顚覆 日本人がバカになってしまう構造 (朝日新書)知性の顚覆 日本人がバカになってしまう構造 (朝日新書)感想
あの橋本治が、反知性主義ってなによ、と切り込もうとして、ギロンはあちこちに飛んでいきながら、今の世相とか80年代以降の歴史とかをぶった切り、最終的にBrexitトランプ大統領選出でもういいや、ってなっていく本。読者は鼻面をあちこち引きずり回されることになるのだが、それが不快でない。反知性主義って、結局「恥」を忘れたことに尽きる、という主張にはウンウンウンウンと頷かされた。
読了日:06月13日 著者:橋本治
路地裏の民主主義 (角川新書)路地裏の民主主義 (角川新書)感想
平川さんの様々な媒体での連載コラムをまとめたもの。人口減少・高齢化社会において、経済は縮小均衡を目指していくべきなのではないか、という主張にブレはない。路地裏という言葉に秘められた思いは、江さんの言う「街場」と同じではないか、と思う。共同体がしっかりしている地域はなんとかなるのかなぁ、と希望的観測を持って、今後の日本の先行きを眺めていこうか。
読了日:05月22日 著者:平川 克美
長男・次男・三男・夫よ 早く大人になってくれ!!(震え声) (ジュールコミックス)長男・次男・三男・夫よ 早く大人になってくれ!!(震え声) (ジュールコミックス)
読了日:05月07日 著者:たちばな かおる
しつけはどうする? 将来どうなる? ダウン症児を育てるってこんなことしつけはどうする? 将来どうなる? ダウン症児を育てるってこんなこと
読了日:05月07日 著者:たちばな かおる
ダウン症児の母親です! 毎日の生活と支援、こうなってるダウン症児の母親です! 毎日の生活と支援、こうなってる
読了日:05月07日 著者:たちばな かおる
ダメをみがく―“女子”の呪いを解く方法ダメをみがく―“女子”の呪いを解く方法感想
芥川賞とかベストセラーとか、そういうのをアタマから無視してしまうあたしは津村記久子って、江さんとの対談本で、このヒトはすごいってなったヒト。で、連れ合いが処分するっていう本に津村記久子の名前を見つけて読破。「ダメ女子」を自認するお2人が、ダメでもいいじゃんって話を延々と続ける1冊なんだけど、やっぱ、津村記久子ってすごいやん。こういうヒトとはぜひおともだち(それもゆる〜いのん)になりたいもんですな。個人的には、内田センセを評して「コミュ力高いおばちゃん的オヤジ」ってのがかなりウケた。
読了日:04月12日 著者:津村 記久子,深澤 真紀
日本会議の研究 (扶桑社新書)日本会議の研究 (扶桑社新書)
読了日:03月30日 著者:菅野 完
大阪的 (コーヒーと一冊)大阪的 (コーヒーと一冊)感想
これは、なんというか、ホンマに「強力」な本で…。いきなり大阪は「厚化粧のおばちゃん」ですよ。膝を打ちすぎて抜けるかと思たわw。一括りに「大阪弁(関西弁)」なんてもんは存在せん、とか、経産省のお役人はまず本書を読んでからにすればよかったのかも。(まぁ、ああいうお粗末を笑い飛ばすのも大阪的なんやけど。)江さんの主張は「いつもの話」で安心して読めるけど、この津村さんてヒトがぶっ飛んでておもろすぎる。昼休み、喫茶店で読んだけど、まわりから不審者扱いされるほど笑いましたわ。
読了日:03月21日 著者:江弘毅,津村記久子
いっとかなあかん店 大阪いっとかなあかん店 大阪感想
街場の達人、江さんの新著。あたしはお酒を飲まないヒト(飲めない)なんだけど、江さんの本を読んでるときだけ、なんかもったいないなぁ、と思ってしまう。(ふだんは全く思わない。)で、江さんが愛してやまないからこそ「江さんにとって」いい店の数々。もちろん、江さんに「センパイ」として連れて行ってもらえれば言うことないんだろうけど、その中でも知ってるお店には、思わず惹きつけられてしまう。江さんの飲み食いエッセイは何回読んでも食欲増進効果が衰えませんなぁ。
読了日:03月15日 著者:江弘毅
いい親よりも大切なこと ~子どものために“しなくていいこと"こんなにあった! ~いい親よりも大切なこと ~子どものために“しなくていいこと"こんなにあった! ~感想
薄い本で、昼休み中に読破。こどももそれぞれだし、親もそれぞれなんだから、無理するのはやめようよ、って内容。中川李枝子の本もそうだったんだけど、こういう本ってどうしても「ママ」向けなのよね。あたしが個人的にそうなのかは分からんけど、ニンゲンなんて人それぞれなんだからってことにそれほどまでに悩む母親が多いってことかなぁ。(てなこというと、だから男親は分かってない、とツッコミが入る可能性高しw)子育てで煮詰まっているお母さんにはおすすめ。男親としては、ツマがどういう煮詰まり方をしているのかを知る、ということで。
読了日:03月02日 著者:小竹 めぐみ,小笠原 舞
落語に花咲く仏教 宗教と芸能は共振する (朝日選書)落語に花咲く仏教 宗教と芸能は共振する (朝日選書)感想
著者が、この本は少し難しいですよ、と予告していたが、分かりやすい語り口は健在。内容が非常に多岐にわたっており、日本における宗教と伝統芸能の関連性がこれでもか、と畳み掛けられる。まるで論文を入門者向けに書き直したような感じだなぁ、と思っていたら、大学での連続講義をベースにしているとのこと。なるほど。あたしは、元落研なんだけど、知らないネタがたくさん出てきてふーんと思いました。弱法師に関しては、釈先生はあちこちで取り上げてて、本書でも出てくるんだけど、大阪の宗教性の基本となる話なんだなぁと再認識。
読了日:02月23日 著者:釈徹宗
キャスターという仕事 (岩波新書)キャスターという仕事 (岩波新書)感想
正直、クロ現降板の真相に興味があって購入しました。で、驚いた。このヒトは、筋金入りの「リベラルなジャーナリスト」だと。ハルバースタム(あたしが大好きな作家だ!)の警句を常に胸に、番組作りに望んでいたという。古き良きアメリカのリベラルな空気を吸って育ったからだな。最終章からあとがきにかけては、国際情勢について懸念を示しておられるが、本当は日本の現状が一番気にかかっておいでだろう。(スキャンダラスに取り上げられるのが本意でなかったので抑えられたのではないか。)いやはや、岩波新書の底力を見せつけられる良書。
読了日:02月09日 著者:国谷 裕子
「グローバル人材育成」の英語教育を問う (ひつじ英語教育ブックレット)「グローバル人材育成」の英語教育を問う (ひつじ英語教育ブックレット)感想
いわゆる「4人組」の第3作。大学での講演録なので読みやすい。付録の鼎談のゲストは養老先生。で、「使える」英語の指標としてよく引き合いに出されるのがTOEIC。(本書でも話として出てくる。)ふた昔ほど前、あたしがまだ若造だったころ、ある団体の採用試験の試験官(もちろん英語の)を頼まれたことがあった。応募者は10人。うち9人はTOEIC900オーバー(残り1人も800後半)。でも、「使える」英語の使い手は1人しかいなかった。(若気の至りで偉そうなことを言いました。)そんなもんなんですよ、テストなんてのは。
読了日:02月09日 著者:斎藤兆史,鳥飼玖美子,大津由紀雄,江利川春雄,野村昌司
モンティ・パイソンができるまで―ジョン・クリーズ自伝―モンティ・パイソンができるまで―ジョン・クリーズ自伝―感想
まずはジョン・クリーズが死んだ親父と同い年ってのにびっくり。まぁ、60年代から活躍してるんだからそらそうか。で、モンティ・パイソン自体の話はほとんど出てこない。映画の舞台にもよくなるイギリスのプレップスクールや大学での生活、中流階級の暮らしなどが、時折パイソン風に淡々と描かれる。いやはや、こんなに分厚い本なのに、全部読んでしまうのがもったいないと久しぶりに思った。パイソンの話は出てこないのね、と思ってたら、最終章でO2ライブの話が。夜中にBDを2枚も見てしまったではないか…。モンティ・パイソン最高。
読了日:02月02日 著者:ジョン・ クリーズ
日本の身体 (新潮文庫)日本の身体 (新潮文庫)感想
様々な日本の(ラグビーだけは違うか)「動き」を極めているヒトに、これまた体の動きということには一家言ある内田センセがインタビューするという対談集。内容的にはこれまた内田センセの「いつもの話」であるわけなのだが、インタビュイーが様々で非常に面白い。個人的には内田センセが師匠に話を聞く章とマタギの話が面白かった。こどものころに剣道をやっていたが、剣道の動きも独特。何十年もたって、今更ながら、なるほど、と思わされることもあった。
読了日:01月26日 著者:内田 樹
潮新書 街場の共同体論潮新書 街場の共同体論感想
まえがきでも本文中でも何度も先生自身がおっしゃるとおり、「いつもの話」。曰く、日本社会は成熟度合いを深め、世界に類を見ない安全で豊かな国になったから、「こども」ばっかりでもシステムが回るようになった。それ自体はものすごい達成だが、システムが壊れだしている今、「大人」がいないとシステムは壊れるに任せるままになる。だから、今日本社会がまっさきにやるべきは「大人」の養成だが、教育システムが構造的に破壊されてきている、と。「いつもの話」ではあったけど、面白く読めた。うむ、正月ボケではなかったようだ。
読了日:01月19日 著者:内田樹
世界の英語を歩く (集英社新書)世界の英語を歩く (集英社新書)感想
鳥飼先生の本でWorld Englishes(世界諸英語)という概念を読んで、購入。正月休みボケのせいか、いまいち内容が頭に入ってこない。著者の言いたいことは分からんでもないのだが、なんか拡散してるような。言いたいこととか紹介したいことがたくさんありすぎてポイントがボケてるというか。で、奥付を見て、なんや10年以上も前の本かよ、と。いずれにしても三刷まで行ってる「語学書」なのに、英語の誤植が多いのはちょっと…。寿司の紹介で、raw fishs liceってパッと見たときには一瞬絶句した。
読了日:01月16日 著者:本名 信行

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