12月分読書まとめ

2015年12月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1421ページ
ナイス数:44ナイス

「意地悪」化する日本「意地悪」化する日本感想
著者と書名で買ってから、岩波の本はすごく久しぶりだと気がついた。岩波新書が時代に迎合してるような気がして買わなくなったからかな。さておき、福島瑞穂と言えば、大昔に朝ナマに出てて、アタマはいいんだろうけど、このヒトとは友だちになりたくないなぁと思った覚えが。で、内田センセと話が噛み合うのか、と思ってたら、やはりところどころ噛み合ってない。ただ、本来は保守派である内田センセと、みずほタソが対談をしてるということが時代の右傾化を示してるのかなぁ。今の日本社会を「イヂワル」というキーワードでまとめたのはさすが。
読了日:12月22日 著者:内田樹,福島みずほ
イナンナの冥界下り (コーヒーと一冊)イナンナの冥界下り (コーヒーと一冊)感想
非常に不思議な手触りの一冊。シュメール語で書かれた古代神話を能楽の舞台にかけるという人が、その解説をしている、というのがあらすじになるわけだが、古代中国神話や古代日本神話との比較も出てくるし、甲骨文字時代の漢字の解説も出てくるし、宗教観の話もあったりと、いい意味でジャンル分けに困る。宗教論や神話の話はもともと好きなのだが、こういう感触の本には初めて出会ったなぁ。それにしてもミシマ社はいい本を作ります。
読了日:12月18日 著者:安田登
K氏の遠吠え 誰も言わへんから言うときます。 (コーヒーと一冊)K氏の遠吠え 誰も言わへんから言うときます。 (コーヒーと一冊)感想
んでもって、江さんがいろんなことを考えた本。このヒトは、ずーっと首尾一貫して「街場」的思考を繰り広げてるので、安心して読める。ミシマガジン連載中も愛読してて、あれこんな話あったかな、と思うものもあった(見落としてただけかもしれない。)「まち」をつくろうとして成功した事例を知らない、という言葉はホンマに卓見。録画しといたNHKも早く見なアカンな。
読了日:12月13日 著者:江弘毅
辛口サイショーの人生案内 (コーヒーと一冊)辛口サイショーの人生案内 (コーヒーと一冊)感想
絶対音感」、「1001話を書いた人」の最相葉月。そもそもは江さんの本を買おうと思ってアマゾンをのぞくと、この本も並んでたのであわせて購入。読売の人生相談を抜き出した1冊だが、これを選んだミシマ社もなかなかやるなと思うし、ミシマ社を選んだ最相葉月もムムムって感じ(いい意味)。時に辛辣、時にあたたかく、質問に逃げずに正面から答えてるのがいい感じ。このシリーズいいですよ。
読了日:12月13日 著者:最相葉月
水木しげるの古代出雲 (角川文庫)水木しげるの古代出雲 (角川文庫)感想
訃報を聞き、いろいろと関連ページを見ていたら、こんな本を書いておられたことを知った。水木しげるに出雲ときたら読まない訳にはいかない。で、よく考えると、確かに出身が出雲にほど近い地域(境港)なのよね。これは考えたことがなかったけど、南方熊楠の扱いといい、水木サンは「まつろわぬモノ」に深い関心と共感を示していたような気がする。内容的には取り立てて目新しいところはないけれど、安心して読める。本書とは関係ないけど、水木サンの一番思い入れのある作品が「総員玉砕せよ!」ってのを意外ってするメディアが意外ですわ。
読了日:12月5日 著者:水木しげる
ぼくたち日本の味方です (文春文庫)ぼくたち日本の味方です (文春文庫)感想
まえがきでもあとがきでもしつこく書かれてるけど、単行本の時と書名が変わってるので注意。で、内容は少し前の対談(鼎談)なんだけど、今でも十分読ませる。高齢化社会の日本を象徴するのは風の谷ではないか、とか、フリースクールの話など、すごく読ませる。個人的には、年齢のせいか、子どもができたせいか、それとも震災があったからなのか、とみに物欲が薄くなったような気がする。そういう話も書かれている。若干強引な展開も見られるけど、日本の社会や政治がどう変化してきているのかについての分析は一読の価値あり。
読了日:12月5日 著者:内田樹,高橋源一郎
超・反知性主義入門超・反知性主義入門感想
オダジマさんのこのコラム、WEBでの連載もちょくちょく読んでいるのだけれど、日経ビジネスオンラインなどというサイトをそこまでこまめにチェックしてないせいもあって、たまに読み逃してることがある。まぁ、日経デジタルの会員なのでバックナンバーも読める訳だけれど。で、巻末の対談がすごくよかったですなぁ。日本国憲法は、先の戦争における戦没者に対する鎮魂の書である、なんて解釈は、ものすごく腑に落ちた気がする。気軽に読めておすすめ。(反知性主義とはなんぞや、という話は出てこない。)
読了日:12月2日 著者:小田嶋隆

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