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8月分読書まとめ

読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2769ページ
ナイス数:62ナイス

2016年8月の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:2769ページ ナイス数:62ナイス 決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫)決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫)感想 映画化作品を昔に見た。(内容は全く覚えていない。題名を覚えていた。)1941年12月8日に至る数日を丁寧に追いかけたのが吉村昭大本営が震えた日ならば、1945年8月14日からの1日を綿密に追いかけたのが本書。50年も前の本だが、当時はまだ存命中の関係者が多数おり、その迫力は圧巻。宮城事件については聞いたことがあるレベルだったが、本書に詳しい。情緒的な文章も見られるものの、戦争に負けるとはどういうことかがよく分かる。軍隊とは巨大な官僚組織だと思っていたが、法手続き論を主張した軍人がいたというのは意外。 読了日:8月26日 著者:半藤一利
70歳! 人と社会の老いの作法 (文春新書)70歳! 人と社会の老いの作法 (文春新書)感想 あたしは、五木寛之を知らない。もちろん名前は知っているが、著書を読んだことがない。敗戦時、11歳の少国民で、朝鮮半島からの引揚者。そして、敗戦から70年ということで、民主主義日本は70歳の老年に差し掛かっていると指摘する。途中、引き上げてこれた者はみな悪人だったから生き残った、とか、老人は使用済み人材であるとか、強烈な言葉がポンポン出てくる。(しかも僧侶を前に!)あとがきを読んで、釈和尚は五木の狂気をいかに引き出すかを狙ったという。その狙いは成功している。肌で戦争を体験している世代の言葉は重く、深い。 読了日:8月25日 著者:五木寛之
対談集「気骨」について (新潮文庫)対談集「気骨」について (新潮文庫)感想 城山三郎の対談集。城山が気心知れた人たちと語り合う。詩人の加島祥造との対談が一番長いのは、そもそも詩人を志した城山ならではか。圧巻はやはり澤地久枝吉村昭との戦争にまつわる対談。特に澤地は城山の担当編集者であったこともあり、熱い会話が繰り広げられる。吉村昭と城山が同い年というのは言われるまで気が付かなかったが、気のおけない、しかしながら、重く深い対談になっている。「流儀」という言葉に秘められた思いなど、城山が好きな読者は読んでおくと良いかも。 読了日:8月23日 著者:城山三郎
ヒトのオスは飼わないの? (文春文庫)ヒトのオスは飼わないの? (文春文庫) 読了日:8月17日 著者:米原万里
指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく (新潮文庫)指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく (新潮文庫)感想 本書こそが、城山三郎が書きたいと思い続けた内容だった、とあとがきにある。城山は怒っている。心底怒っている。国、軍という非人間的な制度に。特定秘密法案や自衛隊の海外派遣に対する強烈な反対論で「リベラル」と思われている城山だが、徴兵免除を蹴ってまで海軍に志願した経歴を持つ。それは愛国の情からであり、だからこそ、城山の怒りはすさまじい。誰もが人を殺し、殺され、遺族になる可能性があるのが戦争であり、簡単に「愛国」などと言うな、その重みをじっくりと咀嚼してみろ、というのが城山の主張なのだろうと思う。 読了日:8月15日 著者:城山三郎
ユーゴスラヴィア現代史 (岩波新書)ユーゴスラヴィア現代史 (岩波新書)感想 チトーとその死後のユーゴスラヴィアの混乱を概観的に知りたくて購入。米原万里がしつこく書いてる、セルビア悪玉論には政治・宗教・文化的な悪意を感じる、という視点ももちろん活かされている。(研究者としては当然か。)社会主義国の中では先進的で、多様な国家が築かれていたとされるユーゴスラヴィアが、ソ連崩壊後は、真っ先に分断されてしまうというのがあまりにも皮肉。冷戦終結後の民族紛争の先行事例になってしまったのが悲しい。少し古いが良書。ただ、手元にバルカン半島の地図を用意しながら読むことをおすすめする。 読了日:8月12日 著者:柴宜弘
関西人の正体 (朝日文庫)関西人の正体 (朝日文庫)感想 しばらく前(20年ほど前)の単行本の新装文庫化。文庫本のあとがきで、著者が「京都と訣別」した経緯(笑)も書かれているが、本文中では「まだ京都に未練があった」ころらしく、京都や関西(!)全体に関しての論考のほうが毒がある。と言うか、大阪に関しては「京都からの視点」が感じられ、若干切れ味が悪く、それがかえってイヤミだったりする。著者が言うように、「そうや、関西は衰退してるよ。東京は繁栄してる。だから言うて、東京のおこぼれにあずかろうなんてさもしい態度はみっともない。どうせなら滅びの美学を」という視点は重要。 読了日:8月8日 著者:井上章一
超・反知性主義入門超・反知性主義入門 読了日:8月4日 著者:小田嶋隆
あたらしい憲法草案のはなしあたらしい憲法草案のはなし感想 ブックレット的な1冊だが、中身は濃い。党派性を極限まで排除したうえで、非常にいやらしい(ホメ言葉)皮肉を込めた内容。巻末に抄録されている「あたらしい憲法のはなし」は、文部省が作ったとは思えないほど、素晴らしい内容である。(まぁ、占領下やったわけで、GHQの検閲が入ってるんだろうけど。)青空文庫で読めるらしいので、敗戦から憲法制定にかけての流れを全くもって無視しがちな今の世代こそ、読んどくべきなんだろう。あたしは感動したよ。 読了日:8月2日 著者:自民党の憲法改正草案を爆発的にひろめる有志連合
悪霊にさいなまれる世界〈下〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)悪霊にさいなまれる世界〈下〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想 科学的思考(懐疑的思考)と民主主義は非常に相性がよい、ある仮説を提示して、それをみんなで懐疑的に叩いていき、その過程を生き残り、実験でも確からしいとなったことは、真実に近い。こうした思考訓練を経なければ、良き市民として民主主義を支えることはできない。このような主張に貫かれている。科学者が、自らをわきまえ、政治的発言をしていくことは、市民としての責務である、そしてそのような「正しく疑う」ことのできる次世代を育成していくことが民主主義の維持には不可欠である。セーガンがトランプとかを見たらどんな気持ちやろか? 読了日:8月2日 著者:カールセーガン
読書メーター

7月分読書まとめ

2016年7月の読書メーター 読んだ本の数:13冊 読んだページ数:4509ページ ナイス数:73ナイス 悪霊にさいなまれる世界〈上〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)悪霊にさいなまれる世界〈上〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想 今、この時期に改めて読み返して、その含意をかみしめている。健全なる懐疑主義の武器は、裏付けをとる、議論のまな板にのせる、権威主義に陥らない、仮説は複数立てる、身びいきをしない、定量化する、弱点を叩き出す、オッカムのかみそり、そして反証可能性。 読了日:7月29日 著者:カールセーガン
困難な結婚困難な結婚感想 さて、この本、本屋さんでは一体どのコーナーに置かれるんだろう。(あたしゃアマゾンで購入した。)結婚、子育てのコーナーに置かれていて、内田センセを知らない読者が手に取った時に、混乱すること多いだろうなぁ、と思ったり。内田センセの忠実な読者にとっては、「持続可能な社会を維持するためには成熟した市民を育成し続けなければならない」というおなじみの論件が展開されているのだけれど。世のオットがこの本を持っていた時のツマの反応というまえがきには笑った。内田センセファンなら安心して読める1冊ですな。少々読者を選ぶかも。 読了日:7月26日 著者:内田樹
濃い味、うす味、街のあじ。濃い味、うす味、街のあじ。感想 京阪神の街場を知り尽くした江さんの新刊。毎日新聞に連載されているものを単行本化。あたしは酒を飲まないヒトで、なおかつそのことを惜しいともなんとも思わないヒトなのだけれど、江さんの本を読む時だけは、あぁ、あたしも酒が飲めたらなぁ…、と思うことしきり。でも、飲む話だけではなく、食べる話も非常に美味しいヒトなので、食べ物屋さんの話だけでも十分すぎる。(江さんの本を読んで、思わず珉珉千日前本店に駆け込んだことがあるw)ヘミングウェイでのお父上とのエピソードは笑えるけど、お店がすごいなぁ、とも思う。達人ならでは。 読了日:7月25日 著者:江弘毅
オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)感想 何度読んでもドキドキしながら、長さを感じずに読ませる本。スターリン独裁時代のソ連スターリン批判からプラハの春にかけてのプラハ、そして現代のロシア(と言っても20年以上前だが)が交錯しながら、甘い思い出と過酷な歴史が紡ぎだされる。米原万里のフィクションではダントツの最高傑作。何度も書いてることだが、嘘つきアーニャをまず予習として読んでから読まれることをおすすめする。これだけのスケールの物語が空々しくないのは、米原の筆力とその経験の賜物。書き出しと結末は決まっていたとのことだが、それも納得。傑作。 読了日:7月24日 著者:米原万里
嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)感想 共産圏(あるいはソ連)の崩壊とは、冷戦終了後の偏狭なナショナリズムの勃興と民族紛争とは、友情とは、誠実さとは、など、様々な観点で考えても、どのような論文やルポルタージュよりも力強く訴えかけてくる本。井上ユリの本で、「ヤスミンカ」も「リッツァ」も健在であることを知ったが、「白い都のヤスミンカ」は何度読んでもやるせなく、また美しい。爽快感とやりきれなさが見事に同居した、米原の最高傑作の1つ。気持ちの悪いナショナリスティックな言論がもてはやされる今日こそ読まれるべき1冊。 読了日:7月22日 著者:米原万里
姉・米原万里 思い出は食欲と共に姉・米原万里 思い出は食欲と共に感想 これは家族にしか書けない。そもそも、米原万里を「万里」と呼べるヒトが他にいるだろうか?(米原が師と仰いだ徳永晴美氏も「万里ちゃん」とか「万里さん」と呼んでたように思う。)米原著作の裏側や意外な(いや、意外ではないかもしれない)繊細さなどが、妹の目線から描かれる秀逸なエッセイ集。米原万里のファンは必読かも。それにしてもこのヒト、米原万里の妹にして井上ひさしの未亡人ってすごいよなぁ。最後の最後に意外な形で「ヤスミンカ」が出てきて、震えた。やっぱ、嘘つきアーニャを読み返そうかなぁ。 読了日:7月21日 著者:井上ユリ
街場の五輪論 (朝日文庫)街場の五輪論 (朝日文庫)感想 東京でのオリンピック、盛り上がってんの?そういや、大阪もオリンピックを招致しようとしてたなぁ。んでもって、まったく盛り上がらず、政府の支援も(お・も・て・な・しも)なく、あっという間に落選したよなぁ。1つの目標に向け走りだした時に、「空気」がそれに異論を唱えることを抑圧する、という指摘は重要。阿川の作品にある、開戦時の海軍大臣が、ことここに至って海軍として開戦に反対はできない、と述べた、というエピソードを思い出す。それから、どんどんいなくなっている戦中派は肌感覚で戦争に反対している、という指摘も。 読了日:7月20日 著者:内田樹,小田嶋隆,平川克美
偉くない「私」が一番自由 (文春文庫)偉くない「私」が一番自由 (文春文庫)感想 没後10年ということで、出版社をまたいだ米原万里フェアをやってるらしい。佐藤優の解説や、「メインディッシュ」の東京外大卒論を酷評してるけど、佐藤の文章に関しては、一応読ませる。卒論については読むのに苦労はしたものの、へぇ、こんな卒論もありなんだ、と感心した次第。著者略歴を見てて、米原が内田センセや平川さんと同い年であることに気がついた。ふーむ、なるほど。オリガ・モリソブナの反語法の解説を読んで、嘘つきアーニャを読み返したくなった。(白い都のヤスミンカ、ね。)米原が、今の日本を見たらどれだけ怒るだろうか。 読了日:7月20日 著者:米原万里
軍艦長門の生涯 (下巻) (新潮文庫)軍艦長門の生涯 (下巻) (新潮文庫)感想 阿川は「保守派」文化人として知られたヒトだが、「リベラル」だった海軍に郷愁を抱いている。今の日本では「保守」と「リベラル」という対立軸ももう成立しなくなっているのかもしれない。(「保守」と「革新」という対立軸は聞かなくなって久しいし。)さて、その阿川が今の日本を見てどう思うのか。世論の「保守化」をいうヒトもあるが、本当にそうか?今の状況を「保守」という言葉ではくくれないと思う。今年は真珠湾から75年の節目。このあと、この国は一体どうなっていくのか、非常に不安。8月15日には城山を読もうと思う。 読了日:7月13日 著者:阿川弘之
軍艦長門の生涯 (中巻) (新潮文庫)軍艦長門の生涯 (中巻) (新潮文庫) 読了日:7月11日 著者:阿川弘之
軍艦長門の生涯 (上巻) (新潮文庫)軍艦長門の生涯 (上巻) (新潮文庫)感想 一体何度目の再読になるやら。阿川もそうなんだけど、ホンマに従軍経験のあるヒトがどんどん鬼籍に入っておられる。あたしの身内にはもう1人もいない。で、従軍経験のある方が、戦争とは、ということを十分に語り尽くすことのないまま、この国は戦後70年以上経ってしまった。こうなると、阿川や城山三郎、あるいは高木惣吉などの著作から、戦争とは?という問いに対する答えを探していかざるをえない。(もちろん大岡昇平でもよい。)果たして、どれだけの「エライ人たち」がそういった、「ナマの兵士の声」に耳を傾けてるんだろう。 読了日:7月8日 著者:阿川弘之
劒岳 〈点の記〉 (文春文庫)劒岳 〈点の記〉 (文春文庫) 読了日:7月6日 著者:新田次郎
八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)八甲田山死の彷徨 (新潮文庫) 読了日:7月4日 著者:新田次郎
読書メーター

6月分読書まとめ

2016年6月の読書メーター 読んだ本の数:12冊 読んだページ数:3528ページ ナイス数:20ナイス 陸奥爆沈 (新潮文庫)陸奥爆沈 (新潮文庫) 読了日:6月30日 著者:吉村昭
大本営が震えた日 (新潮文庫)大本営が震えた日 (新潮文庫) 読了日:6月28日 著者:吉村昭
戦艦武蔵 (新潮文庫)戦艦武蔵 (新潮文庫) 読了日:6月25日 著者:吉村昭
難局の思想 (角川oneテーマ21)難局の思想 (角川oneテーマ21)感想 全学連世代の西部先生と全共闘世代の内田先生の対談を見てみたいような気がした。話合うかな、それともムチャクチャになるかな?それも含めて興味ある。まぁ、実現はムリかな 読了日:6月23日 著者:佐高信,西部邁
中核VS革マル(下) (講談社文庫)中核VS革マル(下) (講談社文庫)感想 40年も前、とも言えるし、ほんの40年前とも言える。立花隆が本書を書いた時点では現在進行形の話やったわけで。そういや最近はストってのも絶えて聞かなくなった。前にも書いたけど、JR東日本革マルに支配されてる、とか、本書のような事実を踏まえないで言わないでほしいなぁ。大勲位自身が国労(=社会党の強力な支持基盤)つぶしのために国鉄分割民営化したって言ってるし、「鬼の動労」が一転分割民営化に賛成した時には、みんなが目をむいたわけやし。いずれにしても冷静な筆致が強烈な皮肉になっている。 読了日:6月21日 著者:立花隆
中核VS革マル(上) (講談社文庫)中核VS革マル(上) (講談社文庫) 読了日:6月20日 著者:立花隆
特捜検察の闇 (文春文庫)特捜検察の闇 (文春文庫) 読了日:6月17日 著者:魚住昭
全学連と全共闘 (平凡社新書)全学連と全共闘 (平凡社新書)感想 これですわ!釈先生の不干斎ハビアンで感じたのは。森田実。このヒトよく知らんけど、まさにこの方に近い。西部邁になると、世代が少し若くなって、ノンポリ→ブント→保守しかないけど、森田は軍国→共産主義→保守という二重の「転向」になるんやないか、と。 読了日:6月15日 著者:伴野準一
ぼくたち日本の味方です (文春文庫)ぼくたち日本の味方です (文春文庫) 読了日:6月13日 著者:内田樹,高橋源一郎
不干斎ハビアン―神も仏も棄てた宗教者 (新潮選書)不干斎ハビアン―神も仏も棄てた宗教者 (新潮選書)感想 釈先生の出世作。思い入れたっぷりに不干斎ハビアンの宗教論が語られる。戦国末期のヒトながら、「近代的自我」を持って宗教と対峙したという指摘には心から納得。一方で、本書中でも引用されている中で指摘されているようだが、どうしても「共産主義者の転向者」が頭に浮かぶ。構造としては、軍国主義にどっぷり浸かり、敗戦をもって共産主義者となり、共産主義にも絶望したという世代は多いと思うねんけどなぁ。合理主義的なのかどうかはよく分からないけど、いずれにしても「近代的個」として生きたヒトであるとも思う。大作ながら一気に読了。 読了日:6月9日 著者:釈徹宗
早わかり世界の六大宗教 (朝日文庫)早わかり世界の六大宗教 (朝日文庫) 読了日:6月7日 著者:釈徹宗
日本霊性論 (NHK出版新書 442)日本霊性論 (NHK出版新書 442) 読了日:6月1日 著者:内田樹,釈徹宗
読書メーター

5月分読書まとめ

2016年5月の読書メーター 読んだ本の数:7冊 読んだページ数:1971ページ ナイス数:42ナイス 声に出して読みづらいロシア人 (コーヒーと一冊)声に出して読みづらいロシア人 (コーヒーと一冊) 読了日:5月27日 著者:松樟太郎
呪の思想 (平凡社ライブラリー)呪の思想 (平凡社ライブラリー)感想 異端の知の巨人2人による対談。本書を読んで真っ先に感じたのが、「懐かしい」という非常に個人的な感想。恥ずかしながら、白川も梅原も1冊も読んだことがない。ではなぜか?本書に何度か登場する高橋和巳だが、あたしの高校時代の恩師の親友だったらしい。そしてこの2人の言葉の肌触りと言うか、行間に漂う匂いが、あたしに恩師を思い出させた。興味のない人からすれば、じいちゃん2人が好き放題言ってる、という本かもしれないが、このヒトにはかなわないと思わせる、思わず「先生!」と声をかけさせる、知性の凄みがあふれる1冊だった。 読了日:5月26日 著者:白川静,梅原猛
日本会議の研究 (扶桑社新書)日本会議の研究 (扶桑社新書)感想 ツイッター界隈では「のいほい」さんとして有名な菅野完の著。品切れになったり、発刊に抗議が来たりと話題の1冊。安倍政権を「保守」として規定することにはなんとなく無理筋を感じていたんだけれど、著者は事実を丹念に追いかけ、むしろ「反動」であると説く。いやはや、60年安保にまで遡る、しかもある教団の内部文書まで読み込んだという熱意には感心。陰謀論を採りたくない、と著者も述べているが、これだけ事実を提示すれば、ねぇ。個人的には「あの幼稚園」がいきなり登場して少々びっくり。労作。 読了日:5月25日 著者:菅野完
現代人の祈り (サンガ新書)現代人の祈り (サンガ新書) 読了日:5月23日 著者:内田樹,釈徹宗,名越康文
ホワット・イフ?:野球のボールを光速で投げたらどうなるかホワット・イフ?:野球のボールを光速で投げたらどうなるか 読了日:5月19日 著者:ランドール・マンロー
僕たちの居場所論 (角川新書)僕たちの居場所論 (角川新書)感想 まえがきで平川さんが、自分は抱腹絶倒やったけど、こんな本読んで面白いヒトがいるのか、なんてひどいこと書いてたけど、お3方ともファンのあたしはかなり楽しめた。平川さんが仰るように、本書のはじめの方はお3方の著書を読んでないと意味が分からないとは思うけど、後半は随分と読ませる。話があちこちに飛ぶのも、この方々の鼎談ではよくあることなんだけど、慣れてないと、なんじゃこりゃ?かも。反グローバリズムの視点や、師匠・弟子論は伝統芸の域に達してるかも。名越先生が結構はっちゃけてるのが意外。 読了日:5月13日 著者:
本物の英語力 (講談社現代新書)本物の英語力 (講談社現代新書)感想 ホントに小学校から英語を教えないといけないの?と警鐘を鳴らし続けている鳥飼先生の近著。読解や文法が軽視され続けてきたけど、「求められる」英語運用能力って本当は?と説得力のある論理展開。英語の学習法についても触れているのだけれど、自分の興味のある分野の本を多読してみよう、というのは、実は米原万里の実質的デビュー作である、ロンブ・カトーの「私の外国語学習法」で書かれていたのとほぼ同じ(もちろん、現代はメディアは数限りなく増えている。)英語に躓いている学習者を読者と想定したとのことだが、英語教師にも読んでほしい 読了日:5月12日 著者:鳥飼玖美子
読書メーター

4月分読書まとめ

2016年4月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:730ページ
ナイス数:29ナイス

子どもはみんな問題児。子どもはみんな問題児。感想
名作ぐりとぐら(ズリとズラ、ではない)の作者による、全編、お母さん賛歌、ちびっ子賛歌の1冊。トトロの「さんぽ」の作詞者でもあると初めて知った。筆者が「保母」をしていたのは40年以上前なので、お父さんの役割がほとんど出てこないなど、一部古さを感じさせる部分もあるものの、世のお母さんを励ますために書いたという言葉どおり、本書に勇気づけられる母は数多いことだろう。子どもはありのままが一番、実は子どもはよく分かっている、など、ほのぼの、うなずかされる文章多数。我が家の連れ合いは、少しばかり涙ぐんでおりました。
読了日:4月27日 著者:中川李枝子
すごいぞ! 私鉄王国・関西すごいぞ! 私鉄王国・関西感想
いや〜、鉄分たっぷりの1冊。故宮脇俊三が本書を読んだなら、こんな書き方がありなのか、と唸ったかもしれない。宮脇も、東京人から見て関西の私鉄王国ぶりはうらやましいと何度も書いているが、関西に住んでいる鉄道ファンにとっては、当たり前すぎることが、実はトンデモナイことだと思い知らされる。各私鉄のキャラの立ちぶりを見事にまとめていると思うし、途中何度もアハハと声を上げてしまった。本書を読むと、たとえ第三軌条方式でなかったとしても、各私鉄は市営地下鉄に乗り入れて市内中心部に出ようとしなかったんじゃないか、とも思う。
読了日:4月26日 著者:黒田一樹
ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領 (角川文庫)ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領 (角川文庫)感想
「世界でいちばん貧しい」が強調されがちなんだけど、原題は「異端児」。単行本の時のタイトルは「悪役」。このヒトの、武装反政府ゲリラ幹部としての経歴を無視して、「キレイ事」で話が進むのはどうかなぁ、と思う。一部書評で、翻訳がひどい、という感想があったけど、スペイン語が分からないのでなんとも言えなくもあるものの、そこまでひどいかなぁ、と。いずれにしても、どちらかと言うと小さな国の理性的なナショナリストってのは興味深いなぁ、と。日本にも来るらしいけど、日本を見てどんな毒舌を吐くのか、楽しみでもある。
読了日:4月7日 著者:アンドレス・ダンサ,エルネスト・トゥルボヴィッツ

読書メーター

3月分読書まとめ

2016年3月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2250ページ
ナイス数:33ナイス

星新一 一〇〇一話をつくった人星新一 一〇〇一話をつくった人感想
ベストセラーというだけでなんとなく手を出さない天邪鬼なあたしは、絶対音感がランキング上位にあるときには買わなかった。しばらくして立ち読みし、これは!と思ってすぐに買って貪るように読んだ。最相葉月は徹底したインタビューで輪郭をつくり上げる、いわばハルバースタムのような作風。その著者が、昔から好きな星新一を書いたと聞けば読まずにはいられない。手塚もそうだが、若くして「神様」になってしまった書き手という業を抱えたヒト。この気持ちは分からないでもないが、あたしにはそこに踏み出す根性が欠けているような気がする。
読了日:3月31日 著者:最相葉月
おもろ放談―SFバカばなし (1981年) (角川文庫)おもろ放談―SFバカばなし (1981年) (角川文庫)感想
釈先生の仏教ではこう考えるを探してて見つからなくて、この本を手にとって再読。(どういう本棚やw)いやしかし、地アタマのいい人が全力でバカ話をするとこうなるというか、エロ・グロ・ナンセンス満載のトンデモナイ本(ホメ言葉)。どう考えたって今の御時世にこの本の再版はムリやろうなぁ。もちろん、この方々、ただのレイシストとかセクシストではなく、教養ある御仁たちなので、分かってて、というのがなんとも…。存命なのは筒井御大だけなのか、と思うとそれもまた。
読了日:3月24日 著者:小松左京
辛口サイショーの人生案内 (コーヒーと一冊)辛口サイショーの人生案内 (コーヒーと一冊)
読了日:3月17日 著者:最相葉月
街場の文体論 (文春文庫)街場の文体論 (文春文庫)感想
内田センセの最終講義録。なるほど、こんな感じの講義ね。さておき、この講義、Creative Writingである。で、通訳とはクリエイティブなのか、という議論がよくあって、内田センセの「読み手を想定した言葉」というものには力がある、というところで腑に落ちた。通訳者自体がなにか新しいことを話す訳ではないけれど、話者の意図をいかに伝えるか、伝えたい、という気持ちは通訳者には必須。その意味では、通訳者のシゴトもクリエイティブなんだなぁ、と、聞き手に応じて話法を変えて、クライアントに褒められたことを思い出した。
読了日:3月16日 著者:内田樹
グローバリズムが世界を滅ぼす (文春新書)グローバリズムが世界を滅ぼす (文春新書)感想
保守と新自由主義(ネオ・リベラリズム)の座りの悪さ、ということをずっと感じていたが、本書を読んでなんとなく腑に落ちた。よく考えると、イギリスの二大政党は、そもそもは「自由」党と「保守」党やったわけで、そもそも(行き過ぎた)自由主義というのは保守とは相容れない。アメリカの共和党と民主党もほぼその流れに重なるのだけれど、ロシア革命以後民主主義vs共産主義という流れになった上に、冷戦終了後に(新)自由主義と保守が組み合わさってしまった、ということかな。トッドと内田センセが対談するとどうなるんだろう、とも思った。
読了日:3月10日 著者:エマニュエルトッド,柴山桂太,中野剛志,藤井聡,堀茂樹,ハジュンチャン
最終講義 生き延びるための七講 (文春文庫)最終講義 生き延びるための七講 (文春文庫)感想
セーガン、トッド、内田センセと読んできて、科学、社会学、哲学と、我ながらいつもながらの乱読やなぁと思ってたのだけど、これらの3つの著作に共通しているのが、社会を構成するためにいかに成熟した成員を育て上げるか、という問題点である、ということに気が付いた。内田センセが常に主張しているのが、教育の受益者は教育を受ける者でなく社会である、ということやけど、同じことを別の切り口でセーガンもトッドも語っているのだなぁ、と。なので、教育に市場原理主義は相容れないし、幅広い教養は長い目で見れば必ず社会のためになる、と。
読了日:3月4日 著者:内田樹
シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 (文春新書)シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 (文春新書)感想
書名から分かるとおり、シャルリ・エブド襲撃事件を受けて書かれた本。あたし自身も「私はシャルリ」には違和感を感じていた。事件後ウェブサイトをのぞいてみたが、風刺というよりは単にイスラムを貶めるだけのように感じたから。(キリスト教の風刺もしてるらしいが。)ただ、どれだけ愚劣な言論であっても暴力でそれを封じるということは許されないよね。筆者は平川さんもよく引用する、家族形態で社会の指向を読み解くという独特のロンを展開しているヒト。本書はフランスではかなり叩かれたらしい。文体はこみっていて少々読みにくいが良書。
読了日:3月3日 著者:エマニュエルトッド

読書メーター

2月分読書まとめ

2016年2月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1389ページ
ナイス数:41ナイス

悪霊にさいなまれる世界〈下〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)悪霊にさいなまれる世界〈下〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
内容については文句なし。教育行政に携わるヒトはぜひ。で、通訳翻訳業界の片隅に座ってるあたしには、あぁ、原書を読んでみたいと思う訳書が2種類ある。1つは、内容的には興味があるはずなのに、文章がこなれてなくてまどろっこしくなる場合。もう1つが、いったいどうすればこんなにこなれた訳になるんだろう、と思う場合。青木薫サイモン・シンの著作でも分かるとおりもちろん後者を書くヒト。細かいことだがバチカンのトップをきっちり「教皇」と訳していることからも分かる。訳者あとがきも必読。セーガンは現状を見てどう思うことやら…。
読了日:2月24日 著者:カールセーガン
悪霊にさいなまれる世界〈上〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)悪霊にさいなまれる世界〈上〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
有名なヒトやけど、著書を読むのは初めて。健全な懐疑主義がいかに重要か、誰々が言ってることやから、と信じるのはいかに危険か、をこれでもかこれでもかと畳み掛ける。学生の頃、ニューヨークとかサンフランシスコをアメリカやと思ったらアカン、Field of Dreamsに出てくるような風景がアメリカなんや(基本的には農業国)と教わったのを思い出した。合理主義の権化のように思われているアメリカはまた、ニューエイジやスピリチュアルの温床でもある、と。警句はあまりにもたくさん含まれてて、この字数では引用できないわ。
読了日:2月19日 著者:カールセーガン
小田嶋隆のコラム道小田嶋隆のコラム道
読了日:2月16日 著者:小田嶋隆
K氏の遠吠え 誰も言わへんから言うときます。 (コーヒーと一冊)K氏の遠吠え 誰も言わへんから言うときます。 (コーヒーと一冊)
読了日:2月3日 著者:江弘毅
ぼくは眠れない (新潮新書)ぼくは眠れない (新潮新書)感想
結構壮絶な話なんだけど、相変わらずのとぼけた筆致で、笑えるところも。不眠症のヒトが解決策を探って読むと、ちょっとまってよ、と言いたくなるのかもしれないけど、椎名誠の作品である、と思って読むと、なるほどねぇ、という感じかな。あたし自身は、不眠に苦しんだことはない(と思う)けど、やっぱり、かなり深刻よねぇ…。日本人、働き過ぎかも。
読了日:2月3日 著者:椎名誠

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