6月分読書まとめ

2016年6月の読書メーター 読んだ本の数:12冊 読んだページ数:3528ページ ナイス数:20ナイス 陸奥爆沈 (新潮文庫)陸奥爆沈 (新潮文庫) 読了日:6月30日 著者:吉村昭
大本営が震えた日 (新潮文庫)大本営が震えた日 (新潮文庫) 読了日:6月28日 著者:吉村昭
戦艦武蔵 (新潮文庫)戦艦武蔵 (新潮文庫) 読了日:6月25日 著者:吉村昭
難局の思想 (角川oneテーマ21)難局の思想 (角川oneテーマ21)感想 全学連世代の西部先生と全共闘世代の内田先生の対談を見てみたいような気がした。話合うかな、それともムチャクチャになるかな?それも含めて興味ある。まぁ、実現はムリかな 読了日:6月23日 著者:佐高信,西部邁
中核VS革マル(下) (講談社文庫)中核VS革マル(下) (講談社文庫)感想 40年も前、とも言えるし、ほんの40年前とも言える。立花隆が本書を書いた時点では現在進行形の話やったわけで。そういや最近はストってのも絶えて聞かなくなった。前にも書いたけど、JR東日本革マルに支配されてる、とか、本書のような事実を踏まえないで言わないでほしいなぁ。大勲位自身が国労(=社会党の強力な支持基盤)つぶしのために国鉄分割民営化したって言ってるし、「鬼の動労」が一転分割民営化に賛成した時には、みんなが目をむいたわけやし。いずれにしても冷静な筆致が強烈な皮肉になっている。 読了日:6月21日 著者:立花隆
中核VS革マル(上) (講談社文庫)中核VS革マル(上) (講談社文庫) 読了日:6月20日 著者:立花隆
特捜検察の闇 (文春文庫)特捜検察の闇 (文春文庫) 読了日:6月17日 著者:魚住昭
全学連と全共闘 (平凡社新書)全学連と全共闘 (平凡社新書)感想 これですわ!釈先生の不干斎ハビアンで感じたのは。森田実。このヒトよく知らんけど、まさにこの方に近い。西部邁になると、世代が少し若くなって、ノンポリ→ブント→保守しかないけど、森田は軍国→共産主義→保守という二重の「転向」になるんやないか、と。 読了日:6月15日 著者:伴野準一
ぼくたち日本の味方です (文春文庫)ぼくたち日本の味方です (文春文庫) 読了日:6月13日 著者:内田樹,高橋源一郎
不干斎ハビアン―神も仏も棄てた宗教者 (新潮選書)不干斎ハビアン―神も仏も棄てた宗教者 (新潮選書)感想 釈先生の出世作。思い入れたっぷりに不干斎ハビアンの宗教論が語られる。戦国末期のヒトながら、「近代的自我」を持って宗教と対峙したという指摘には心から納得。一方で、本書中でも引用されている中で指摘されているようだが、どうしても「共産主義者の転向者」が頭に浮かぶ。構造としては、軍国主義にどっぷり浸かり、敗戦をもって共産主義者となり、共産主義にも絶望したという世代は多いと思うねんけどなぁ。合理主義的なのかどうかはよく分からないけど、いずれにしても「近代的個」として生きたヒトであるとも思う。大作ながら一気に読了。 読了日:6月9日 著者:釈徹宗
早わかり世界の六大宗教 (朝日文庫)早わかり世界の六大宗教 (朝日文庫) 読了日:6月7日 著者:釈徹宗
日本霊性論 (NHK出版新書 442)日本霊性論 (NHK出版新書 442) 読了日:6月1日 著者:内田樹,釈徹宗
読書メーター

5月分読書まとめ

2016年5月の読書メーター 読んだ本の数:7冊 読んだページ数:1971ページ ナイス数:42ナイス 声に出して読みづらいロシア人 (コーヒーと一冊)声に出して読みづらいロシア人 (コーヒーと一冊) 読了日:5月27日 著者:松樟太郎
呪の思想 (平凡社ライブラリー)呪の思想 (平凡社ライブラリー)感想 異端の知の巨人2人による対談。本書を読んで真っ先に感じたのが、「懐かしい」という非常に個人的な感想。恥ずかしながら、白川も梅原も1冊も読んだことがない。ではなぜか?本書に何度か登場する高橋和巳だが、あたしの高校時代の恩師の親友だったらしい。そしてこの2人の言葉の肌触りと言うか、行間に漂う匂いが、あたしに恩師を思い出させた。興味のない人からすれば、じいちゃん2人が好き放題言ってる、という本かもしれないが、このヒトにはかなわないと思わせる、思わず「先生!」と声をかけさせる、知性の凄みがあふれる1冊だった。 読了日:5月26日 著者:白川静,梅原猛
日本会議の研究 (扶桑社新書)日本会議の研究 (扶桑社新書)感想 ツイッター界隈では「のいほい」さんとして有名な菅野完の著。品切れになったり、発刊に抗議が来たりと話題の1冊。安倍政権を「保守」として規定することにはなんとなく無理筋を感じていたんだけれど、著者は事実を丹念に追いかけ、むしろ「反動」であると説く。いやはや、60年安保にまで遡る、しかもある教団の内部文書まで読み込んだという熱意には感心。陰謀論を採りたくない、と著者も述べているが、これだけ事実を提示すれば、ねぇ。個人的には「あの幼稚園」がいきなり登場して少々びっくり。労作。 読了日:5月25日 著者:菅野完
現代人の祈り (サンガ新書)現代人の祈り (サンガ新書) 読了日:5月23日 著者:内田樹,釈徹宗,名越康文
ホワット・イフ?:野球のボールを光速で投げたらどうなるかホワット・イフ?:野球のボールを光速で投げたらどうなるか 読了日:5月19日 著者:ランドール・マンロー
僕たちの居場所論 (角川新書)僕たちの居場所論 (角川新書)感想 まえがきで平川さんが、自分は抱腹絶倒やったけど、こんな本読んで面白いヒトがいるのか、なんてひどいこと書いてたけど、お3方ともファンのあたしはかなり楽しめた。平川さんが仰るように、本書のはじめの方はお3方の著書を読んでないと意味が分からないとは思うけど、後半は随分と読ませる。話があちこちに飛ぶのも、この方々の鼎談ではよくあることなんだけど、慣れてないと、なんじゃこりゃ?かも。反グローバリズムの視点や、師匠・弟子論は伝統芸の域に達してるかも。名越先生が結構はっちゃけてるのが意外。 読了日:5月13日 著者:
本物の英語力 (講談社現代新書)本物の英語力 (講談社現代新書)感想 ホントに小学校から英語を教えないといけないの?と警鐘を鳴らし続けている鳥飼先生の近著。読解や文法が軽視され続けてきたけど、「求められる」英語運用能力って本当は?と説得力のある論理展開。英語の学習法についても触れているのだけれど、自分の興味のある分野の本を多読してみよう、というのは、実は米原万里の実質的デビュー作である、ロンブ・カトーの「私の外国語学習法」で書かれていたのとほぼ同じ(もちろん、現代はメディアは数限りなく増えている。)英語に躓いている学習者を読者と想定したとのことだが、英語教師にも読んでほしい 読了日:5月12日 著者:鳥飼玖美子
読書メーター

4月分読書まとめ

2016年4月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:730ページ
ナイス数:29ナイス

子どもはみんな問題児。子どもはみんな問題児。感想
名作ぐりとぐら(ズリとズラ、ではない)の作者による、全編、お母さん賛歌、ちびっ子賛歌の1冊。トトロの「さんぽ」の作詞者でもあると初めて知った。筆者が「保母」をしていたのは40年以上前なので、お父さんの役割がほとんど出てこないなど、一部古さを感じさせる部分もあるものの、世のお母さんを励ますために書いたという言葉どおり、本書に勇気づけられる母は数多いことだろう。子どもはありのままが一番、実は子どもはよく分かっている、など、ほのぼの、うなずかされる文章多数。我が家の連れ合いは、少しばかり涙ぐんでおりました。
読了日:4月27日 著者:中川李枝子
すごいぞ! 私鉄王国・関西すごいぞ! 私鉄王国・関西感想
いや〜、鉄分たっぷりの1冊。故宮脇俊三が本書を読んだなら、こんな書き方がありなのか、と唸ったかもしれない。宮脇も、東京人から見て関西の私鉄王国ぶりはうらやましいと何度も書いているが、関西に住んでいる鉄道ファンにとっては、当たり前すぎることが、実はトンデモナイことだと思い知らされる。各私鉄のキャラの立ちぶりを見事にまとめていると思うし、途中何度もアハハと声を上げてしまった。本書を読むと、たとえ第三軌条方式でなかったとしても、各私鉄は市営地下鉄に乗り入れて市内中心部に出ようとしなかったんじゃないか、とも思う。
読了日:4月26日 著者:黒田一樹
ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領 (角川文庫)ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領 (角川文庫)感想
「世界でいちばん貧しい」が強調されがちなんだけど、原題は「異端児」。単行本の時のタイトルは「悪役」。このヒトの、武装反政府ゲリラ幹部としての経歴を無視して、「キレイ事」で話が進むのはどうかなぁ、と思う。一部書評で、翻訳がひどい、という感想があったけど、スペイン語が分からないのでなんとも言えなくもあるものの、そこまでひどいかなぁ、と。いずれにしても、どちらかと言うと小さな国の理性的なナショナリストってのは興味深いなぁ、と。日本にも来るらしいけど、日本を見てどんな毒舌を吐くのか、楽しみでもある。
読了日:4月7日 著者:アンドレス・ダンサ,エルネスト・トゥルボヴィッツ

読書メーター

3月分読書まとめ

2016年3月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2250ページ
ナイス数:33ナイス

星新一 一〇〇一話をつくった人星新一 一〇〇一話をつくった人感想
ベストセラーというだけでなんとなく手を出さない天邪鬼なあたしは、絶対音感がランキング上位にあるときには買わなかった。しばらくして立ち読みし、これは!と思ってすぐに買って貪るように読んだ。最相葉月は徹底したインタビューで輪郭をつくり上げる、いわばハルバースタムのような作風。その著者が、昔から好きな星新一を書いたと聞けば読まずにはいられない。手塚もそうだが、若くして「神様」になってしまった書き手という業を抱えたヒト。この気持ちは分からないでもないが、あたしにはそこに踏み出す根性が欠けているような気がする。
読了日:3月31日 著者:最相葉月
おもろ放談―SFバカばなし (1981年) (角川文庫)おもろ放談―SFバカばなし (1981年) (角川文庫)感想
釈先生の仏教ではこう考えるを探してて見つからなくて、この本を手にとって再読。(どういう本棚やw)いやしかし、地アタマのいい人が全力でバカ話をするとこうなるというか、エロ・グロ・ナンセンス満載のトンデモナイ本(ホメ言葉)。どう考えたって今の御時世にこの本の再版はムリやろうなぁ。もちろん、この方々、ただのレイシストとかセクシストではなく、教養ある御仁たちなので、分かってて、というのがなんとも…。存命なのは筒井御大だけなのか、と思うとそれもまた。
読了日:3月24日 著者:小松左京
辛口サイショーの人生案内 (コーヒーと一冊)辛口サイショーの人生案内 (コーヒーと一冊)
読了日:3月17日 著者:最相葉月
街場の文体論 (文春文庫)街場の文体論 (文春文庫)感想
内田センセの最終講義録。なるほど、こんな感じの講義ね。さておき、この講義、Creative Writingである。で、通訳とはクリエイティブなのか、という議論がよくあって、内田センセの「読み手を想定した言葉」というものには力がある、というところで腑に落ちた。通訳者自体がなにか新しいことを話す訳ではないけれど、話者の意図をいかに伝えるか、伝えたい、という気持ちは通訳者には必須。その意味では、通訳者のシゴトもクリエイティブなんだなぁ、と、聞き手に応じて話法を変えて、クライアントに褒められたことを思い出した。
読了日:3月16日 著者:内田樹
グローバリズムが世界を滅ぼす (文春新書)グローバリズムが世界を滅ぼす (文春新書)感想
保守と新自由主義(ネオ・リベラリズム)の座りの悪さ、ということをずっと感じていたが、本書を読んでなんとなく腑に落ちた。よく考えると、イギリスの二大政党は、そもそもは「自由」党と「保守」党やったわけで、そもそも(行き過ぎた)自由主義というのは保守とは相容れない。アメリカの共和党と民主党もほぼその流れに重なるのだけれど、ロシア革命以後民主主義vs共産主義という流れになった上に、冷戦終了後に(新)自由主義と保守が組み合わさってしまった、ということかな。トッドと内田センセが対談するとどうなるんだろう、とも思った。
読了日:3月10日 著者:エマニュエルトッド,柴山桂太,中野剛志,藤井聡,堀茂樹,ハジュンチャン
最終講義 生き延びるための七講 (文春文庫)最終講義 生き延びるための七講 (文春文庫)感想
セーガン、トッド、内田センセと読んできて、科学、社会学、哲学と、我ながらいつもながらの乱読やなぁと思ってたのだけど、これらの3つの著作に共通しているのが、社会を構成するためにいかに成熟した成員を育て上げるか、という問題点である、ということに気が付いた。内田センセが常に主張しているのが、教育の受益者は教育を受ける者でなく社会である、ということやけど、同じことを別の切り口でセーガンもトッドも語っているのだなぁ、と。なので、教育に市場原理主義は相容れないし、幅広い教養は長い目で見れば必ず社会のためになる、と。
読了日:3月4日 著者:内田樹
シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 (文春新書)シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 (文春新書)感想
書名から分かるとおり、シャルリ・エブド襲撃事件を受けて書かれた本。あたし自身も「私はシャルリ」には違和感を感じていた。事件後ウェブサイトをのぞいてみたが、風刺というよりは単にイスラムを貶めるだけのように感じたから。(キリスト教の風刺もしてるらしいが。)ただ、どれだけ愚劣な言論であっても暴力でそれを封じるということは許されないよね。筆者は平川さんもよく引用する、家族形態で社会の指向を読み解くという独特のロンを展開しているヒト。本書はフランスではかなり叩かれたらしい。文体はこみっていて少々読みにくいが良書。
読了日:3月3日 著者:エマニュエルトッド

読書メーター

2月分読書まとめ

2016年2月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1389ページ
ナイス数:41ナイス

悪霊にさいなまれる世界〈下〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)悪霊にさいなまれる世界〈下〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
内容については文句なし。教育行政に携わるヒトはぜひ。で、通訳翻訳業界の片隅に座ってるあたしには、あぁ、原書を読んでみたいと思う訳書が2種類ある。1つは、内容的には興味があるはずなのに、文章がこなれてなくてまどろっこしくなる場合。もう1つが、いったいどうすればこんなにこなれた訳になるんだろう、と思う場合。青木薫サイモン・シンの著作でも分かるとおりもちろん後者を書くヒト。細かいことだがバチカンのトップをきっちり「教皇」と訳していることからも分かる。訳者あとがきも必読。セーガンは現状を見てどう思うことやら…。
読了日:2月24日 著者:カールセーガン
悪霊にさいなまれる世界〈上〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)悪霊にさいなまれる世界〈上〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
有名なヒトやけど、著書を読むのは初めて。健全な懐疑主義がいかに重要か、誰々が言ってることやから、と信じるのはいかに危険か、をこれでもかこれでもかと畳み掛ける。学生の頃、ニューヨークとかサンフランシスコをアメリカやと思ったらアカン、Field of Dreamsに出てくるような風景がアメリカなんや(基本的には農業国)と教わったのを思い出した。合理主義の権化のように思われているアメリカはまた、ニューエイジやスピリチュアルの温床でもある、と。警句はあまりにもたくさん含まれてて、この字数では引用できないわ。
読了日:2月19日 著者:カールセーガン
小田嶋隆のコラム道小田嶋隆のコラム道
読了日:2月16日 著者:小田嶋隆
K氏の遠吠え 誰も言わへんから言うときます。 (コーヒーと一冊)K氏の遠吠え 誰も言わへんから言うときます。 (コーヒーと一冊)
読了日:2月3日 著者:江弘毅
ぼくは眠れない (新潮新書)ぼくは眠れない (新潮新書)感想
結構壮絶な話なんだけど、相変わらずのとぼけた筆致で、笑えるところも。不眠症のヒトが解決策を探って読むと、ちょっとまってよ、と言いたくなるのかもしれないけど、椎名誠の作品である、と思って読むと、なるほどねぇ、という感じかな。あたし自身は、不眠に苦しんだことはない(と思う)けど、やっぱり、かなり深刻よねぇ…。日本人、働き過ぎかも。
読了日:2月3日 著者:椎名誠

読書メーター

1月分読書まとめ

2016年1月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:458ページ
ナイス数:18ナイス

文系学部解体 (角川新書)文系学部解体 (角川新書)感想
本当に気分が重くなる本。なので、感想ではなく、昔の話を。あたしが師と仰ぐ高校時代の担任は、「雪が見たいから」と金沢の旧制高校に進み、学徒動員、復員後、新制京都大学の1期生、というヒトだった。小松左京と同人誌を作り、高橋和巳は親友。専門は中国文学。中島敦の作品に出てくる漢詩の出典を探していて、吉川幸次郎に「あれは中島が書いたんだよ」と笑われたという。この先生が大学で学んだことは「社会に出てすぐに役立つこと」だったか?否。しかし、後に少なくとも1人の人間の人格形成にとてつもなく影響を与えた。教育とは…。
読了日:1月6日 著者:室井尚
ぼくがいま、死について思うこと (新潮文庫)ぼくがいま、死について思うこと (新潮文庫)感想
学生の頃、シーナマコトをよく読んだ。怪しい探検隊シリーズからシーナの言う実録物まで、順繰りに追体験していった。(リアルタイムでは知らなかったのだ。)あたし自身、文体に影響を受けたとも思うし、遊び方も真似たりした。(ただしあたしは下戸。)その後、なんとなく読まなくなっていて、ホントに久しぶりにシーナの本を買ったら、死について思うこと?!いつになくシリアスな文体であるが、淡々と語られるその内容には、シーナの悟りのようなものも感じられる。最終章は震えが来た。よく考えるとこのヒト、あたしのオカンと同い年なのよね。
読了日:1月5日 著者:椎名誠

読書メーター

12月分読書まとめ

2015年12月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1421ページ
ナイス数:44ナイス

「意地悪」化する日本「意地悪」化する日本感想
著者と書名で買ってから、岩波の本はすごく久しぶりだと気がついた。岩波新書が時代に迎合してるような気がして買わなくなったからかな。さておき、福島瑞穂と言えば、大昔に朝ナマに出てて、アタマはいいんだろうけど、このヒトとは友だちになりたくないなぁと思った覚えが。で、内田センセと話が噛み合うのか、と思ってたら、やはりところどころ噛み合ってない。ただ、本来は保守派である内田センセと、みずほタソが対談をしてるということが時代の右傾化を示してるのかなぁ。今の日本社会を「イヂワル」というキーワードでまとめたのはさすが。
読了日:12月22日 著者:内田樹,福島みずほ
イナンナの冥界下り (コーヒーと一冊)イナンナの冥界下り (コーヒーと一冊)感想
非常に不思議な手触りの一冊。シュメール語で書かれた古代神話を能楽の舞台にかけるという人が、その解説をしている、というのがあらすじになるわけだが、古代中国神話や古代日本神話との比較も出てくるし、甲骨文字時代の漢字の解説も出てくるし、宗教観の話もあったりと、いい意味でジャンル分けに困る。宗教論や神話の話はもともと好きなのだが、こういう感触の本には初めて出会ったなぁ。それにしてもミシマ社はいい本を作ります。
読了日:12月18日 著者:安田登
K氏の遠吠え 誰も言わへんから言うときます。 (コーヒーと一冊)K氏の遠吠え 誰も言わへんから言うときます。 (コーヒーと一冊)感想
んでもって、江さんがいろんなことを考えた本。このヒトは、ずーっと首尾一貫して「街場」的思考を繰り広げてるので、安心して読める。ミシマガジン連載中も愛読してて、あれこんな話あったかな、と思うものもあった(見落としてただけかもしれない。)「まち」をつくろうとして成功した事例を知らない、という言葉はホンマに卓見。録画しといたNHKも早く見なアカンな。
読了日:12月13日 著者:江弘毅
辛口サイショーの人生案内 (コーヒーと一冊)辛口サイショーの人生案内 (コーヒーと一冊)感想
絶対音感」、「1001話を書いた人」の最相葉月。そもそもは江さんの本を買おうと思ってアマゾンをのぞくと、この本も並んでたのであわせて購入。読売の人生相談を抜き出した1冊だが、これを選んだミシマ社もなかなかやるなと思うし、ミシマ社を選んだ最相葉月もムムムって感じ(いい意味)。時に辛辣、時にあたたかく、質問に逃げずに正面から答えてるのがいい感じ。このシリーズいいですよ。
読了日:12月13日 著者:最相葉月
水木しげるの古代出雲 (角川文庫)水木しげるの古代出雲 (角川文庫)感想
訃報を聞き、いろいろと関連ページを見ていたら、こんな本を書いておられたことを知った。水木しげるに出雲ときたら読まない訳にはいかない。で、よく考えると、確かに出身が出雲にほど近い地域(境港)なのよね。これは考えたことがなかったけど、南方熊楠の扱いといい、水木サンは「まつろわぬモノ」に深い関心と共感を示していたような気がする。内容的には取り立てて目新しいところはないけれど、安心して読める。本書とは関係ないけど、水木サンの一番思い入れのある作品が「総員玉砕せよ!」ってのを意外ってするメディアが意外ですわ。
読了日:12月5日 著者:水木しげる
ぼくたち日本の味方です (文春文庫)ぼくたち日本の味方です (文春文庫)感想
まえがきでもあとがきでもしつこく書かれてるけど、単行本の時と書名が変わってるので注意。で、内容は少し前の対談(鼎談)なんだけど、今でも十分読ませる。高齢化社会の日本を象徴するのは風の谷ではないか、とか、フリースクールの話など、すごく読ませる。個人的には、年齢のせいか、子どもができたせいか、それとも震災があったからなのか、とみに物欲が薄くなったような気がする。そういう話も書かれている。若干強引な展開も見られるけど、日本の社会や政治がどう変化してきているのかについての分析は一読の価値あり。
読了日:12月5日 著者:内田樹,高橋源一郎
超・反知性主義入門超・反知性主義入門感想
オダジマさんのこのコラム、WEBでの連載もちょくちょく読んでいるのだけれど、日経ビジネスオンラインなどというサイトをそこまでこまめにチェックしてないせいもあって、たまに読み逃してることがある。まぁ、日経デジタルの会員なのでバックナンバーも読める訳だけれど。で、巻末の対談がすごくよかったですなぁ。日本国憲法は、先の戦争における戦没者に対する鎮魂の書である、なんて解釈は、ものすごく腑に落ちた気がする。気軽に読めておすすめ。(反知性主義とはなんぞや、という話は出てこない。)
読了日:12月2日 著者:小田嶋隆

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